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高校生女子人間関係トラブルへの保健室コーチング対応事例

保健室コーチングは、コーチングかカウンセリングかというより、

「ブリーフセラピー」にかなり近いと言われることが多くあります。

 

短時間で変化が起きるという点を見るとまさにそうです。[保健室コーチングの目的は解決ではなく、相談者の内的変化を起こすこと。その結果として問題が問題でなくなったり、出来事に影響を受けなくなるということ]

 

起きた出来事に対しての感情ではなく、どうしたいのかという相談の先の目標設定(解決像)を明確にすることなど

ブリーフセラピーの考え方によく似ていますね。

 

ブリーフセラピーは、NLPの考え方も入っていますし、ミルトンエリクソンの言語手法も取り入れていることを考えると

「あら、保健室コーチングとほんとによく似ているのね」と言う感じです。

 

さて、今回は、そんな保健室コーチングの様々な概念を活用して、高校生の人間関係トラブルへの対応事例をご紹介します。

対応されたのは、保健室コーチングアドバンスコース修了生のGM先生です。

 

[実践事例]

喧嘩が絶えない女子高校生2人。先週、いったん仲直りしたものの気まずい関係が続いていた。

担任が間に入って話し合いをさせたが、変わらなかった。どちらも授業に集中できず、授業をサボることが続いている。

その2人がそれぞれ別の時間に来室した。質問カードを使いながら話を聞く。

 

<A子>

2校時、廊下でうずくまっていたため、声をかけ来室させる。(バイタルチェック異常なし)

○養(養護教諭):話、聞こうか?

A子 :(うなずく。)

 

 ※話の概要

B子とケンカをしていたが、先週金曜に一度仲直りしたその日の帰り道、いつもなら私から話しかけるのに話しかけなかった。そうしたらB子に「相談、聞くよ。」と言われた。でも、何を話していいかわからなかった。その日の夜B子から電話で、「仲直りしたらいつもはA子から話しかけてくるじゃない?仲直りしたのになぜ落ち込んでいるの。仲直りしたのにこれじゃあ意味ない。もう私たち終わりでいいじゃん。」と言われた。私はうまく答えられず、「そんなことはない。」とキレて言ってしまった。今また気まずい。B子は冷静だけど私はそうじゃない。どこから話しかけていいかわからなかった。自分なりに考えてもわからない。B子とどう接したらいいかわからない。

 

○養 :(質問カードを使った経験があったので)質問カードで考える?

A子:(うなずく。) 以下、A子が引いた質問カードの質問とその回答

 

何が一番の問題だと感じているのですか。

「冷静じゃないこと。自分が冷静でない。」

もしもその願いが叶ったらさらにどんないいことが手に入りますか。

「いつもどおりになる。仲がよかったときに戻る。」

いつまでに、どうなりたい?

「土日に何とかしたい。今の状態では駄目だから。冷静になってから。(顔が上がり、明るさが出てきた。)」

 

○養 :(自分なりに冷静になって考える時間がほしいと思っている。今の状態でB子に話かけてもうまく話せないままだと感じている。)と判断し、「そうしてみようか。」と伝える。

A子はその後、3校時の授業に出席する。

 

<B子>

3校時、休養したいですと来室。(バイタルチェック異常なし。)

B子:A子のことで話がしたい。カードやりたいです。(質問カードは常連。)

以下、以下、B子が引いた質問カードの質問とその回答

 

何のためにそれをしたいと思いますか

「A子が何をしたいのかわからない。なぜ、怒っているのか知りたい」

ドラえもんに道具を出してもらうとするとどんな道具がいい?それはどうして?

「タイムマシーン。あの出来事の前に戻ってこういうことが起きないように、同じことを繰り返さないようにする。」

何を一番わかってほしいと思っていますか?

「わたしはA子がどう思っているかを知りたいということをA子にわかってほしい。」

 

A子の話やB子の様子から、B子の思い込みでうまくいっていない感じを受ける。そこで、B子にあの出来事についてさらに聞いた。

出来事としての事実はA子とB子でほぼ一致していたが、B子はA子の態度について次のようにとらえており、自分と他の人は感じ方やとらえ方が違うということが分かっていないようだった。

 

・帰り道、A子は何も言わなかったのは、何か相談があったから。なのに、「何って言っていいかわからなかった」と答えた。相談があるのに言わなかった。=うそつき

 

・友達=すぐに何でも言ってくれる。

 

・電話の時、「怒っていないから」と言っているのに何も言わない。言いたいことがあるなら言えばいいのに言わない。言わない=私を信用していない。

 

これらの話を聞き、B子の決めつけた解釈にA子が戸惑っていると判断した。そこで、私だったらこう感じるということを伝えた。

 

○養:「なんでも話して」と言われても、すぐに言葉が出ないこともある。B子のようにすぐに思っていることを言える人もいるけど、わたしはできない。そういう人もいるんだよ。

 

B子:あっ、○○さんみたいに?  (納得した様子。)

 

○養:電話で、怒ってないからと言われても、今の言い方だと責められているように感じたよ。

 

B子:そうなんだー。私ってこういう性格だから、いつもこうなっちゃう。(泣き出す。)変われないから…

 

○養:そうかなあ。保健の授業で自分の中にはいろいろな自分がいるってやったよね。B子の中にも違う自分がいるんじゃない。違う自分を登場させてみたら。

 

B子:できるかな。

 

○養:できると思うよ。

 

その後落ち着き、教室へ戻る。

 

 

翌日、B子が笑顔でありがとうございましたと報告に来た。B子は早速、話をした日の午後の授業前にA子に声をかけ、今度はしっかり仲直りしたとのこと。その後は、トラブルもなく、仲のよい様子が見られている。

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