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桑原朱美公式ブログ

保健室コーチング物語(4) 山崎氏のことばにハッとする!

しばらく時間が空きました。

 

久々に 保健室コーチング物語です。

 

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前回は、山崎啓支さんのNLP心理学に出会い、現職を続けながらコースを受講し、人間理解の面白さにすっかり魅了されたというお話を 書きました。

 

今回は、NLPの学びが教育現場にどう生かされたかという点と

 

私があるとき、強く、山崎氏から叱責をうけたことで大切な気付きを得たという出来事をご紹介したいと思います。

 

平成16年から学び始めたNLPで学んだ概念を、まずは、保健室での生徒への対応にどのように活用すればよいのか? これが1つの課題でした。

 

一般的な相談業務とは違って、保健室では、10分の休み時間に、予約もなく様々な訴えを持つ生徒が次々とやってきます。

 

 

生徒への対応の基本は、その主訴が何であれ、バイタルサイン(検温、脈拍、必要なら血圧)のチェックはもちろん、顔色などを見る視診、必要な問診をします。

 

 

こうした当たり前のことにおいても、NLPの「本音は非言語に現れる」「自律神経系の反応は無意識と関連する」などの概念が、バイタルサインを通したこれまでのあたりまえの対応にも生かされ、観察力が鋭くなっていくように感じていました。

 

 

NLPの教育的活用を模索しながら、まず取り組んだのは、これまでのカウンセリング的かかわりにコーチング的な「質問」を取り入れること。

 

 

傾聴は、メタモデル質問を活用することで、ただ聴くのではなく「思い込み、ビリーフ」に対して確認しながら質問することで、生徒が「あ!」と気づいていくことが多くなりました。

 

 

「無意識にあるものは気づき(=意識に引き上げる)ことで、はじめてコントロール可能となる」ので、傾聴では事実確認をしながらも、無意識に持っているビリーフを探り、そこに働きかけていくというやり方にシフトしていった結果でした。

それまでは、話を聴いているうちに自分の妄想をどんどん膨らませ、かわいそうな私になっていく生徒に対してどうアプローチしていいのかと悩んでいましたから。。。。

 

 

思春期の生徒は、非常に敏感です。単にスキルを使うのではなく、こちらの在り方(BE)が、相手の反応に影響します。相手をどう扱うかというこちらの在り方とともに、スキルとしての呼吸ペーシングや代表システム(VAK)を意識したかかわりは、深いラポール形成に大いに役立ちました。

 

 

VAKの理論は、生徒の恋愛相談にも役立ち、「だから、彼とちぐはぐなのか」と生徒たちは納得しておりました。(このやり取りは、拙著 10代の君たちに送る保健室特別セラピーに書いています。)

 

 

また、言語生成に関してもNLPは、非常に興味深く、こうした学びが、子どもたちのコミュニケーションミスによるトラブルへのかかわりにも、短時間でお互いの勘違いを認め合うことができるようになったりと、様々な点で成果を感じていました。

はじめは言葉によるアプローチから始め、徐々にNLPのワークも、現場用にアレンジして、活用するようになりました。

 

 

保健室に来室する生徒は、感覚的(いわゆるKタイプ)が多く、感情の動きが身体症状として現れてしまうことが多く、出来事と体の症状がつながっていないことも多いのです。

 

さらに、自分の状態について、うまく表現できない子も多く、これまではそうした生徒が話し出すために多くの時間を費やしていました。

 

 

そうした生徒には、言語でのアプローチではなく、感覚そのものを変えるというワークを投入しました。

 

 

ワークは潜在意識を扱うので、深いトランスに入れるやり方ではなく、さらりとやるようにしました。

 

 

出来事について話したくない、話すことがうまくできないという生徒も、直接感覚に働きかけたり

 

脳の仕組みを使ったワークで、短時間で「大丈夫」の状態になったり、「そうか」と気づいて元気に教室に戻っていくようになったのです。

 

 

そんな風に、少しずつ、保健室という現場で活用することで、成果が上がっていました。

 

 

 

NLPもマスタープラクティショナーコースに進み、学びを深めていたころ、気になっている生徒がいました。

 

 

ある病気を持っていて、それでも、何事も手を抜くことなく頑張る子でしたが、時折、体調を崩して保健室で休養することが多くなってきました。

 

 

その生徒に対し、何かできることはないかと山崎氏に相談したことがありました。

 

 

山崎氏は静かに叱責されました。

 

「姫さんは、教員なのだから、教育という範疇を超えてはいけません。あなたは今、自分の範疇を超えることをしようとしているのがわかりますか。」

 

私はハッとしました。

 

教育の現場で活用することで、様々な成果を上げていくうちに、なんだかおごり高ぶった気持ちになっていたことに気づきました。

 

そのことがあって以来、それまでの「NLPの教育的活用」という視点だけでなく

 

人の可能性にかかわるとはどういうことか

 

教育の視点で人にかかわることはどういうことなのか

 

それをより深く考えるようになりました。

 

こうした体験の積み重ねが、今の保健室コーチングの

 

基本的な考え方を作っています。

 

スキルで人は救えない。

 

ずっと言われてきたことが、いつの間にか、私の意識から消えかけていたのです。

 

教育でかかわるとは、人を助けることではなく

 

癒すこともでもなく

 

生きる力にかかわっていくこと

 

 

では、それは具体的に何なのか

そのことを、より真剣に考えながら、保健室での実践を積み重ねることができるようになりました。

 

 

・・・つづく

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