学校保健委員会の講演依頼を毎年山のようにいただきます。
依頼フォームの「現状」のところと「期待する成果」の部分に何がかかれているかで、
養護教諭として専門的立場でしっかりと子どもたちの現状を観ているかがわかります。
そして、学校保健推進のリーダーとして、
1時間の講演を、どのように次につないでいくのかが明確になっているかどうかがうかがえます。
実態把握がをまともにできていないのに、期待する成果ばかり並べたてるのは、
「子どもたちのことはよくわかりませんが、
講師の先生の話を50分聞かせていろんなことを学んで、よくなってほしい」と言っているようなものです。
講演依頼フォームを読んで、なるほど、この人すごいと思う方というのは、
次の3点が明確になっています。
①保健室に来る子どもたちの相談の様子から気になっている実態、プラスに感じる視点、それに関する養護教諭の専門的視点からの仮説がしっかりとまとめてある。
これは、普段から子どもたちの様子を言語化し、自分なりの考察をしていなければできないこと
②期待する成果が、具体的。「知識を与えたいのか」「行動を変えたいのか」「心情を育てたいのか」がしっかりとまとめてあり、講師の話であれもこれも要求してこない。講師自身も1時間の講演であれもこれも伝えても逆効果だとわかっているので、どこがポイントかがわかると非常に講演の構成をするのに、軸がぶれにくくなる
③1時間の講演の位置づけが、保健室経営や学校保健領域での年間の取り組みの流れの中でどうなっているのかが明確にわかる。私が講演する前にどんな流れがあって、講演をその活動の年間計画の中で、どう活用していくのかが、明確になっている。それは、その養護教諭、保健主事が、学校保健委員会という大切な行事を、どう考えているかの反映でもあると思う。
学校保健の推進リーダーである 保健主事の皆さん 養護教諭の皆さん
どうぞ、あなたの保健室経営のビジョンを明確にして(きれいごとではなく、あなた自身の深い部分からでてくることばで)
あなたは、養護教諭の職を通して、何を子どもたちに伝えたいのですか?
この1年間で子どもたちをどこに導こうとしていますか
学校保健は、すべての教育活動のベースとなる大切な領域です。
行事をやることが目的ではありません
行事をうまくこなすことが、行事の目的ではありません。
講演で一時的な感動を求めるものではありません。
数年を見越して、この1年間で子どもたちをどこに導くのか
その流れの一つとして、学校保健委員会で何をするのか
ちゃんと結びついていますか?
本当の意味で、学校保健の大切さをとらえなおし、
こなすだけの行事にしないでください。
全校、そして家庭との連携、地域との連携、共通認識を持ち、ともにこどもたちの心身の課題について考える
大切な行事としての学校保健委員会を
本当の意味で機能させるために何が必要なのかを
深く深く考え、チームで検討し、実践してください。
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