2014年 メルマガ「姫先生のおめめ」81号を加筆修正
「私みたいに影響力のない人間は・・・」とか「◎◎さんは影響力あるからね」
ということばを使うことってありませんか?
人間は複数集まった時点で、それぞれが持つ心は何かしらの影響を相手に与えています。
言い方を変えれば、
その人が持つ心の状態、無意識に思っていること、意識的に思っていることは、
常に関わる人に影響を与えています。
そして、その思いが場の空気や雰囲気を作ります。
あなたが何を思っているかは、必ずそれは相手の心の中に反映され、
それに反映されたものが相手の反応となって現れています。
あなたの想いが引き出した相手の反応であるにも関わらず、それによって一喜一憂しているのです。
そう考えると、誰かとのかかわりにおいて、
『絶対的なマニュアル』は存在しない、ということになります。
(こういう場合はこうしましょう・・・的な、いわゆる場面に応じたやり方)
多くの人が、手っ取り早く手に入れられる「方法」「やり方」を手に入れようとします。
何かのやり方を手に入れれば、目の前の火消しができると考えてしまうのでしょう。
私の講座でも、コミュニケーションのスキルと言われるものや法則的なものも
もちろんお伝えしていますが、その方法論やスキルに「解決策」や「正解」を求めているうちは、
ほんとに大切なことを見失ってしまいます。
スキルが何かを解決するという考え方が、世の中に蔓延しているのでしょう。
そうではなく
私の講座にやってくる受講生さんには、
スキルややり方を超越した、人間というものの深さとすばらしさ、可能性を、
全身で実感する学びをしてほしいと思っています。
そうでなければ、自分が本当に持ちたい影響力とは方向違いの影響を出してしまう可能性が
想像以上に高いからです。
特にあなたが、教師や親でという立場で、関わる相手が子どもたちであったり、
あなたが、上司や管理職で、かかわる相手が部下であったりする場合は、
あなた自身の内面にあるものは、まるで鏡であるかのように相手の反応として表れます。
かわいそうな子と思えば 相手は自分の中にある「かわいそうな私」をひっぱり出し、
いつまでたってもあなたに依存するかもしれない。
「この子は何にもできない子だわ。私がいなきゃ」と思って関わると
その想いに反応して、「できない自分」を無意識に演じることになります。
あなたが部下に対して「こいつには何を言っても無駄」だと思って関われば、
何度指導してもミスだらけで進歩しない部下となるでしょう。
そしてその相手の姿に、あなたがさらに影響を受ける。
影響力の正体は、「無意識の想念」でもあり、相手との関係性から生まれる「関係性のエネルギー」
と表現できるのかもしれません。
「影響力のある人間になるにはどうしたらいいか」なんていうスキルや
「どうしたら子どもが言うことをきくようになるか」
「どんなスキルを身につければ指導力のある先生と言われるか」という視点で考えている限り、
本当の影響力など、生涯手に入れることはできないと、断言いたします。
あなた自身が無意識に何を思って 何を瞬間的に考えているかを認知し
人間と人間が織りなす関係性の不思議を理解し、人間の心のダイナミクスを理解し
日常で体得して、つかみ取るものです。
それを、私の講座に参加される皆さんに伝えていくために
私自身も 自己と向き合う日々を送っています。
自分が体得したもの以上のことは、誰かに伝えることができないからです。
本当の影響力ってやり方ではなく、その人の在り方からにじみ出るもので
あなたが思っているようなオーラとか、パワフルなものではないのかもしれません。
ポジティブ、前向きであればよいというものではなく
逆に淡々として動じない静かさの中にあるのかもしれません。
それこそが、中庸という状態であるのでしょう。
ブレがない。
自己の中心としっかりとつながって、受け容れの度量の大きさがある
自己受容なくして、真の影響力はうまれないのだなとも思います。
影響力を持つことが目的になってしまうと、虚の世界にはまってしまうことがあります。
そういう方にも時々お会いします。
まずは、自分が自分を受け容れること
自分の度量を大きくすること
立場や役職や必要以上の資格を得ることで
影響力を持つというのは違うような気がします
ただ、「立ち位置」にあるだけ
その立場で与えてしまう影響が、ほんとうにプラスに働いているのかどうか
本気で自分自身と向き合うこと。
自分が実感して、体験して、本当に腑に落ちて、そして乗り越えた分しか
本当の意味での影響力は、発揮することができないのだと思っています。
まずは自分と向き合い、自分を知る。
そこからしか始まりらないのではないでしょうか?
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