【保健室コーチングトレーナーコース2期3講 感想 M先生 石川から参加】
第3講の気づきは、「アウトプットしてみてわかったこと」の3点である。
1.「伝える」と「伝わる」は違う
2.思考パターン
3.どれだけ回り道できるか
1.「伝える」と「伝わる」は違う
今回「OS更新」の課題に取り組んで、「伝わるように伝える」難しさを改めて痛感した。
自分の中に既にインプットされていて、かつ当たり前に収まっている事項を、
他者に理解してもらうために「伝える」。
そのために言葉やパワポなど視覚でアウトプットする。
テキストや講座で学んだことなのに、自分の思ったようには伝わらなかった。
正しい知識や豊富な情報は必要だろうけれども、
それを伝達したとしても人の心には届かない。
「伝わる」プレゼンって何だろう。
「OS更新の必要性」を理解してもらいたい、実際に「更新」したことで相手に何かが生まれるような、
変わっていくようなことをもたらすようなプレゼン…。
これは言葉のテクニックではないということだ。
何よりインプットされている事柄の深い理解があって、
「伝わる」の第一歩が始まる。
その深い理解というのも単なる知識量や正確性ではなく、
その事項に関する「抽象⇄具体」「全体⇄部分」「総論⇄各論」を何度も行き来して、
たどり着く理解なのだと。
当たり前に知っていることを、何度も視点を変えて見ることで、
「伝わる」切り口が見えてくる。
だから、これは天才が、あるいはAIが一瞬でテキストをまるまる覚えきったとしても、
人に伝わるアウトプットにはならない。
正しい言葉を整然と並べてあったとしても、
それはそれ。
逆に、苦しみながら何度も思考の行き来を繰り返し、
試行錯誤している自分たちには伝わるものを作っていくことがきっとできる!と思った。
2.思考パターン
プレゼンをしてみて、利き脳からの「思考パターン」が興味深かった。
課題そのものの受け取り方や課題の取り組み方、進め方、理解の仕方から
発表後の振り返りの「行動パターン」まで、
それぞれの特徴があまりにも共通していて驚いた。
私は「赤脳」であるが、自分が深く感動したり、
よい!と思ったその「想い」を中心に思考を組み立てがちなのだとわかった。
「想い」が先に出てしまうので、
理念などの抽象的なものを分かってもらうための説明過多に陥ってしまう。
また、身近な具体例がないので、聞いている人に向けて
「それがどうして必要なのか」の説得力に欠ける。
ゴールからの逆算や、ストーリーで捉えて思考する、いろいろな思考パターンを知っておくことは、
学校という現場でもとても有効だと思った。
知っていればプレゼンだけでなく、
授業、職場、家庭での思考パターンの違いからくるミスコミュニケーションは、
違いによる面白さに変わり、違いを補完し合うベストコミュニケーションへと変化できる。
まさに「思考シフト」。こういう自己理解・他者理解を拡げたいと思った。
3.どれだけ回り道できるか
初日、姫先生は「無駄、回り道をいっぱいしてほしい」とおっしゃった。
今回とても心に響いた言葉だった。
「どれだけたくさん調べてこの一行にたどり着くのか。一文の背景にたくさんの無駄がある」と。
若手の頃に、ベテランの先生から
「一つのことを教えるのに十の準備をしなさい」と言われたことと重なる。
多くの準備をしても、全部を教えるわけではない。
使わないという意味で無駄だった準備も、
あるかないかの差は歴然で、自分の授業でも伝わり方や生徒の反応は全く違う。
また、こうも思った。
「無駄、回り道をいっぱいしてほしい」って聞いて、ホッとする自分がいた。
肩の力が抜けるような。「試行錯誤をいっぱいして大丈夫なんだ」と思った。
この学びの場は、年齢も立場も関係なく、
安心して試行錯誤=トライができる場なんだと思えて、
不思議と心が軽くなり、思ったことを遠慮なく話すことができた二日間になった。
私は今学校で、そういう空間を作れているだろうか。
「回り道をいっぱいしてほしい」と伝えられているだろうか。
今、そんな問いかけが自分の中にある。
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