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保健室コーチング物語(1) 養護教諭としてのジレンマ

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私が、今のように養護教諭の先生型を対象とした研修事業を立ち上げて9年目となります。

ここ数年、養護教諭研修会でご指名をいただくことが多くなり、

南は九州、北は北海道と全国展開をしています。

また、現場出の検証と実践をもとにコンテンツ化した保健室コーチングの講座や

資格コースも全国で開催させていただくまでになりました。

 

私が、研修や講座で 冒頭にお話をさせていただくのが、「養護教諭として現場で感じたジレンマ」

私が現職中に感じたジレンマと同じように感じていらっしゃる養護教諭の先生方が

食い入るように私の話を聴いてくださいます。

 

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平成15年。

20年の小学校養護教諭としての経験の後、当時教育困難校といわれた(とはいえ、私が転勤したころは最盛期は過ぎていたが)中学校に転勤になりました。

自分の存在に意味を感じない生徒たちが、様々な自己表現をしていました。

問題行動、不登校、いい子ちゃん。

保健室にもたくさんの生徒が毎時間のようにやってきました。

生徒と話をしたり、関わっていくのは、全く苦にならないのですが、

同時の私にはあるジレンマというか、しっくりこないことがありました。

 

★受容と共感だけでは、何も前に進まない・・・。

★話を聴き、共感することで、負の思い込みをますます膨らませてしまう生徒たちをどうしよう?

★過去の話ばかりする生徒の気もちを、前に向かせるにはどうしたらいいの?

★深い悩みを持った生徒に対応することで、自分が疲弊してしまうって、何が起きているの?

 

「話を聴く」「受容する」「共感しながら相手の感情をくみ取る」「受け容れる」「温かく見守る」・・・・

大学の養成課程の時代から、「カウンセリング」とはこういうもの、悩みを聴いてあげるのはこのようにするもの。

でも、明らかに「それは思い込みだよ」という生徒が来て

「つらかったんだね」なんて言いながら話を聴いているのですが、

生徒によっては、話をしているうちに自分が話す内容に

自らが反応し、再体験するかのように感情がさらに高ぶっていくのです。

そして、ますます「かわいそうな私」を創り上げていく。

実にドラマチックなのだけれど、それ、ほとんどあなたの妄想なんだけど・・・・

と思うのですが、

それが思い込みだと本人が気づくためアプローチが分からなかったのです。

 

また、すでに自分は中学生なのに

「自分は小学校3年生の時に、友人の〇〇君に・・・・・・・だといわれて、それ以来。。。」

という過去のことを何度でもひっぱり出し、この時の嫌な想いが、今でも自分を苦しめている・・・と訴える生徒。

しかし、当時は、「過去のつらい思いを解消しなければ、前に進めないのだ。過去のつらい話を聴いてあげよう」と思って

必死に対応していました。・・・が、こういう生徒たちも、離せば話すほど、執着が強くなる。

何か特別な心理療法を学ばなくてはこうした生徒に対応できないのかなとまで思ってしまいました。

 

私は、あまり相手の話に入り込んでしまうタイプではないものの、想い背景を背負っている子も多く

場合によっては自分自身が疲弊してしまうことがありました。

 

・・・んんんん。なんだ、これ?

何かが違う。

 

何の疑いもなくやってきたことが、

ここにきて違和感とともに、「何の教育的成果もあげていない」ということに

大きなジレンマを感じていました。

 

・・・・何かが違う。

 

受容と共感だけでは、何かが足りないのか?

そんな思いに駆られていました。

しかし、実際には、受容と共感のほかに何かが必要というより

自分がいかに思考停止ワードにがんじがらめになり

本当に必要なことを見失っていたことに

気づいていなかったのです。

 

そして、1年たったころ、大きな転機のきっかけとなる

出会いがありました。

 

つづく・・・・・・・

 

 

 

 

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